自家培養角膜上皮(開発名:EYE-01M)の製造販売承認申請のお知らせ
2019.03.20
当社が開発を委託している株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(本社:愛知県蒲郡市、代表取締役:畠 賢一郎、以下「J-TEC」)は、このたび角膜上皮幹細胞疲弊症(脚注1)の治療を目的とした、自家培養角膜上皮(開発名:EYE-01M)の製造販売承認申請を厚生労働省におこないましたのでお知らせいたします。
本申請は、当社がJ-TEC に委託し、実施されたもので、眼科領域の再生医療等製品では国内初となります。
1. 目的
「EYE-01M」は、患者自身の角膜組織の輪部から角膜上皮幹細胞を採取してシート状に培養したもので、本品を移植することにより角膜上皮を再建させ、視力、その他臨床症状(眼痛、異物感、流涙、乾燥感など)を改善させることを目的としています。
脚注1.結膜と角膜の境界領域である輪部に存在する角膜上皮幹細胞が、先天的もしくは外的要因によって消失することで発症する疾患。角膜が混濁し、視力の低下や、眼痛などの臨床症状が見られます。
2. 背景
当社は、J-TEC に「EYE-01M」の開発を委託し、イタリア モデナ大学のGraziella Pellegrini 教授とMichele De Luca 教授、大阪大学大学院医学系研究科の西田幸二教授(眼科学)らより角膜培養に関する技術を導入し、2014 年10 月より国内で治験を実施してきました。
なお、当社は、再生医療等製品の販売業許可を取得し、承認後、「EYE-01M」の販売準備を開始します。
当社は、J-TEC と協力し、再生医療等製品の開発を加速させるとともに、再生医療の実用化・産業化を進め、患者の生活の質(QOL)の向上へも寄与することを目指します。
(補足)
角膜上皮は、眼の最表層に位置し、結膜と角膜の境界領域である輪部に存在する角膜上皮幹細胞が細胞源になっています。角膜上皮幹細胞が消失すると角膜上皮幹細胞疲弊症と呼ばれる状態となり、角膜が混濁し、視力低下の原因となります。角膜上皮幹細胞疲弊症の原因には、先天性のものとして無虹彩症や強膜化角膜、外因性のものとしてアルカリ腐食や熱傷、内因性のものとしてスティーブンス・ジョンソン症候群や眼類天疱瘡、そのほか特発性のものが挙げられます。
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