アクリル基材用ハイブリッドハードコート剤Acier-PMMAを新発売

2010.05.26

当社は、平成22年5月1日、 京都工芸繊維大学 山田保治教授との共同研究による新材料  アクリル基材用のハイブリッドハードコート剤 Acier-PMMA (アシェル ピーエムエムエー)を 発売しました。

当社は、これまで携帯電話やカーナビなどのプラスチック基材に反射防止膜 (ARコーティング)や装飾などさまざまなコーティングをおこなってきました。 今回、長年のコーティング事業の経験を活かした新しい試みとして、 アクリル樹脂基材用のハードコート剤を初めて製品化しました。

新製品のAcier-PMMAは、従来のハードコートをさらに発展させ、有機材料と無機材料を 分子レベルで融合したハイブリッドハードコート剤です。 PMMA(ポリメタクリル酸メチル)の基材に対して非常に硬く傷がつきにくい(注1) ハードコートを施すことができます。透明性が高いため素材の透過率を損ないません。

Acier-PMMA


このコーティングは、基材に合わせて個別に開発をしている特殊なコーティングとなり、 対象となる基材・塗工メーカーに限定して販売しています。 現在、基材・塗工メーカーと直接評価を進めているところです。

今後も当社は、長年培ってきた各種のコーティング技術を応用、発展させ、 さまざまな形での提案を続けてまいります。

注1:擦傷性試験結果

社内実験では、Acier-PMMAをコーティングしたPMMA基材に対し、 スチールウール#0000(荷重1.5kg)を1000回往復させても、 キズの発生は確認されませんでした。

<参考資料>

ハードコートについて:

ハードコートとはプラスチック基材などに薄い膜(数〜数十マイクロメータ)を 施すことにより基材表面に傷がつきにくくするコーティングです。

UV硬化型ハイブリッドハードコート剤について:

UV硬化とは液体状のUV硬化樹脂に紫外線を照射することに より樹脂を硬化させる方法です。 ハイブリッドハードコートとは、有機材料と無機材料を分子レベルで複合化した材料です。 無機材料には、シリカ、ジルコニア、チタニア等が挙げられます。

アクリル系材料について:

一般的なものとしてPMMA(ポリメタクリル酸メチル)があり、 有機ガラスとも言われ、透明樹脂の代表です。 ディスプレイ材料、プラスチックレンズ、水族館の水槽などに使用されています。

鉛筆硬度について:

Acier-PMMAでハードコートを施したPMMA基材の鉛筆硬度は6Hを示します。 コーティングを施していないPMMA基材の鉛筆硬度はH、ガラスは9Hと言われています。

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