Vol.22 猫の目が光るのはなぜ?
皆さんは、暗闇で光る猫の目に驚いた経験がありませんか。ではなぜ猫の目は光るのか、実は猫の眼球の構造が関係しているのです。
網膜の外側にあるタペタム
猫の目が光る秘密は、眼球の構造にあります。夜行性である猫は、暗闇の中でも物体を確認できるよう、網膜の外側に「タペタム」と呼ばれる、反射板の役割を持った層があります(図1)。
私たち人間の目は、角膜から届いた光を網膜で吸収しています。一方猫の目は、網膜を通り過ぎた光をタペタムで反射させることにより、もう一度網膜に送り返しています。暗闇の中で猫の目が光って見えるのは、このタペタムに反射した光が見えているためです。
猫の目には、光の少ない環境で物を見るときに働く細胞(杆体細胞)が人間の約6倍もあるため、網膜に直接あたる光と、タペタムによる反射光とで光を増幅させることにより、暗闇の中のわずかな光でも視覚の感度を上げ、周囲を見ることができます。
猫の視力はどれくらい?
暗闇でも見えると聞くと、視力がとても良いように思われるかもしれませんが、猫の視力は人間のおよそ10分の1程度で、視力0.1~0.2ほどといわれています。そのため、全体的に靄がかかったような、輪郭がぼやけた状態で景色やものが見えているそうです。
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