Vol.17 コンタクトレンズの歴史
視力を矯正するために、コンタクトレンズを使用している人は多くいます。 眼鏡をかけることに抵抗があったり、スポーツをするときに眼鏡が不便に感じたりする人にはとても助かるアイテムです。 最近は、遠近両用タイプのものや、使い捨てのもの、おしゃれのためのカラーコンタクトレンズなども普及し、さらに幅広い世代の人々が使用しています。 今回は、コンタクトレンズの歴史を紹介します。
コンタクトレンズの原理
コンタクトレンズの原理は、イタリアの有名な科学者であるレオナルド・ダ・ヴィンチが発見したといわれています。 1508年、半球形をしたガラスの容器に水を入れ、眼を開いて水に浸した状態のイラストを用いて、視力を矯正する効果について論じていたそうです。
ハードコンタクトレンズ
ダ・ヴィンチの発見から約440年後、PMMA(ポリメチルメタクリレート)というアクリル樹脂の素材を用いたハードコンタクトレンズが開発されました。 しかし、初期のハードコンタクトレンズは酸素を透過しないため、装用できる時間に限界があったり角膜に障害が発生したりと、さまざまな問題がありました。 その後、酸素を透過する素材で作られたハードコンタクトレンズが開発され、連続して装用することが可能になりました。 また、PMMAのコンタクトレンズの前には、ガラス素材のハードコンタクトレンズがありましたが、製造が難しかったことから普及しなかったそうです。
ソフトコンタクトレンズ
一方、ソフトコンタクトレンズはいつ頃できたのでしょうか? それは1960年、チェコスロバキアの研究所が、ハイドロジェルのコンタクトレンズ製造に関する内容の報告を発表したことから始まります。 この技術が1965年にアメリカに渡り、ソフトコンタクトレンズの開発がおこなわれました。 そして、1971年に初のソフトコンタクトレンズが発売され、その10年後には連続装用も認可されました。 ソフトコンタクトレンズは、材質に水を含んでいるため柔らかく、酸素透過性もあり、装用感も良好です。 ソフトコンタクトレンズの誕生により、各国のコンタクトレンズ普及率は飛躍的に向上しました。
今ではすっかり一般的になったコンタクトレンズですが、原理までさかのぼれば約500年の歴史があるなんて驚きですね。
* コンタクトレンズは医療機器であり、目の検査・コンタクトレンズの処方・装用指導は、医療行為にあたります。 コンタクトレンズを使用する場合には、眼科医の先生に眼に合ったレンズの処方をしてもらい、レンズを装着したときの眼の状態を確認してもらいましょう。
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