Vol.11 青色の目と茶色の目

あなたの目の色は何色ですか?人によって、瞳の周りの色が違いますね。また、世界にはさまざまな目の色を持った人がいます。では、なぜ人によって目の色が違うのでしょうか。

目の色=虹彩の色

私たちの目には、目に入ってくる光の量を調節するための「虹彩(こうさい)」という部分があります。 この「虹彩」の色を、一般的に「目の色」と呼んでいます。 目の中心にある瞳の色は、黒色です。

なぜ色の違いがあるのか

色が違う理由は、2つあると考えられています。

まずは、遺伝子による違いです。虹彩の色を決める遺伝子はたくさんあるようですが、主に2つあると言われています。

染色体番号 遺伝子名 優性遺伝子・劣性遺伝子
染色体15 EYCL3 優性=茶色、劣性=青色
染色体19 EYCL1 優性=緑色、劣性=青色

これらの組み合わせにより、目の色は決まりますが、目の色を決める遺伝子は2つだけではなく、 組み合わせもそれぞれなので、人により色が異なります。

次に、メラニンの量による違いです。

メラニンとは、太陽光線に含まれる有害な紫外線などから私たちを守ってくれている大切な色素です。 目以外に肌、髪などにもあります。一般に、虹彩のなかのメラニン色素の量が多いと茶色となり、少ないと青色になるといわれています。 日光の照射率が高い国では、紫外線から守るために、虹彩内にメラニン色素が大量に蓄積され黒色や茶褐色の目になります。 反対に、日光の照射率が低い国では、虹彩内のメラニン色素の量が少なく、青色などの薄い色の目になるといわれています。 また、同じ人でも、メラニンの生成量が少なくなったり、日光の照射率が違う土地へ住むと、目の色も変わります。 メラニンの生成量が、環境により異なるのですね。

1万年前に生まれた青い目

最近の研究によると、青い目は、今から1万年以上前には存在しなかったそうです。 メラニンをつくる遺伝子に着目すると、1万年前に部分的に働かなくなった遺伝子の影響で、青い目が誕生したのではないかと言われています。

青い目が誕生した理由はわかりませんが、仮説として、環境の変化が考えられます。 人類が住む場所を広げていくなかで、太陽の光が少ない土地では、紫外線から目を守る必要が少なくなってきたのではないでしょうか。 そして、遺伝子が部分的に働かなくなり、青い目が誕生するようになったのではないでしょうか。

“1万年前に生まれた青い目”は、仮説をもとにした内容です。

次回は「10月10日は目の愛護デー」です。

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